経営 飲食業

お客さんは入っているのに、なぜお金が残らない?

「お客さんは入っているのに、通帳の残高が増えていかない」
忙しさと手元のお金が、どこかでつながっていない気がする。

この記事のポイント

お金が残らない原因は、売上の少なさより「売上から出ていくお金の順番」にあることが多いものです。月に1回、食材費・人件費と「返済の後に残るお金」を並べて見るだけで、手を打つ場所が見えてきます。

忙しいのにお金が残らない、3つの理由

① 食材費と人件費が、少しずつ上がっている

飲食店の経費で大きいのは、食材費(F)と人件費(L)です。この2つを合わせて「FLコスト」と呼びます。

兵庫県の最低賃金は、2026年10月1日から時給1,172円になりました(56円の引上げ)。仕入れ値の上がり方も含めて、1%ずつの変化は、日々の営業ではまず気づけません。

② 借入の返済は「利益」から出ていく

開業や改装のときの借入は、毎月の元本の返済が経費になりません。試算表で利益が出ていても、そこから返済をすると手元に残るお金はぐっと減ります。

「利益は出ているはずなのに」という違和感の多くは、ここから生まれます。

③ 預かった税金を、売上と一緒に使っている

お客様からいただく代金には、消費税が含まれています。消費税は本来、お客様が負担し、お店が預かって納める税金です。

レジのお金と一緒に使ってしまうと、納税の時期にまとまったお金が一度に出ていきます。

架空のお店で計算してみる

月の売上が300万円のお店で考えてみます。

項目 金額(月) 売上比
売上 300万円 100%
食材費(F) 99万円 33%
人件費(L) 90万円 30%
家賃・光熱費など 81万円 27%
利益 30万円 10%
借入の返済(元本) 20万円 ―
手元に残るお金 10万円 ―

※数値は架空の例です。

利益は売上の10%。決して悪い数字ではありません。それでも、返済の後に残るのは月10万円です。

ここで、食材費と人件費がそれぞれ1%ずつ上がったとします。出ていくお金は月6万円増え、手元に残るお金は4万円になります。売上もお客様の数も、何も変わっていないのにです。

明日からできること:月1時間の「数字の日」

毎日の数字を細かく追う必要はありません。月に1回、定休日などに1時間だけ時間を取り、次の4つを並べて見てみてください。

  • 先月の売上
  • 食材費と人件費(売上に対する割合も)
  • 借入の返済額
  • 返済の後に残ったお金

あわせて、預かった消費税の分は、別の口座に毎月移しておくと、納税の月に慌てずに済みます。

入力の手間は、レジと会計ソフトの連携で減らせる

「数字を見る前に、入力で力尽きる」というオーナーは少なくありません。Airレジ・Squareなどのクラウド型のPOSレジは、freee会計と連携すると、レジ締めの売上を自動で取り込めます(freee会計マニュアル【飲食店の経理編】)。

入力をレジに任せ、空いた時間を「見る」ほうに回す。それだけで、月1時間が現実的になります。

3分でできるセルフチェック

☐ ① 先月の食材費と人件費は、売上の何%でしたか?

☐ ② 毎月の借入の返済額を、すぐに言えますか?

☐ ③ 次の消費税の納税に回すお金は、どこに置いてありますか?

答えに詰まったところが、お店の伸びしろです。

私自身、飲食店の店舗管理の仕事を通じて、数字を見ることの大切さを知りました。お金が残らない理由は、たいてい売上の外側にあります。当事務所では、飲食店の数字をfreeeで毎月見える化し、オーナーと一緒に次の判断を考えています(初回お試しの戦略会議は無料です)。

神戸の飲食店の方へ(freee導入・経営支援)

参考:兵庫労働局「兵庫県最低賃金 時間額1,172円に改正決定 ~発効日は令和8年10月1日~」
国税庁「No.6101 消費税の基本的なしくみ」
freee「freee会計マニュアル【飲食店の経理編】」

※本記事は2026年10月時点の公表資料に基づいています。個別の状況により取扱いが異なりますので、具体的な判断はご相談ください。

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